日差しの入る明るい森になるように、伐採し、その切り落とした木々を使って遊具作りをする。
ページの内容説明
今の子どもたちを見ていると、ゲームなど刺激的な遊びには興味を持つが、自分で創り出したり、仲間と協力することや折り合いをつけて人と関わることが苦手な子どもの姿が多くなってきていると感じています。
当園では裏山を所有しており、四季折々の移ろいを感じたり、木登りやロープを使った遊具など冒険に満ちた遊びを通して、緊張感や達成感、あるいは解放感を味わいながら遊んでいます。
木があれば蚊や蜂のように危害を加える生き物に出会ったり、漆のように触ってはいけない植物があったり、自然は時として脅威を与えることも確かです。自然環境豊かであるが故に、自然の恩恵と脅威を感じることもしばしばあります。
しかし、これも体験することで危険を回避する能力を身につけていきます。たとえば、ムカデなどがつがいでいることや触ってはいけない生き物であることなど知識もついてきます。このようなたくさんの生きた教育が受けられるのが当園の魅力だと言えましょう。
大人として成長する上で、自分で判断したり、選択できる力は大変重要になってきますが、周り の大人が選択の余地を与えない詰め込みの教育をしていると子どもは考えずに生活していきます。当園では、子ども達に自然の中で仲間と関わり、自分で発見し、自分のペースでゆっくり考える遊びを体験させたいと願って自然体験活動に取り組んでいます。
このような経験ができるのも、『遊育』という自然と人との共生を目指して活動しているボランティアの方々や地域の皆様のおかげです。『遊育』の方々は、自分自身も楽しみながら次世代を生きる子ども達の為に、裏山整備など活動を支えてくださっています。
最後になりますが、この紙面をお借りして活動を支えてくださっている皆様方の温かいお心に感謝し、御礼申し上げます。
裏山購入時の林の中はうっそうと茂っていた。
かろうじて日が差し込む程度の中…
重機を使い、人が通れるような道と一部フェンスエリアを作る。
まさに雑木林…
山の中への入口もなく、崖を登って入る。
木々をよけながら、先へ進んでいくが、腕が擦り傷だらけになってしまうような場所が所々に点在する。
「森はもっと日が差し込むように明るくした方が森は生きていくよ。」とアドバイスを受け、大木は業者さんに任せたが、細い木は職員で毎日少しずつのこぎりで切っていく…
切り倒した木々が無数に山積みになり、その木々を生かして遊びのエリア作りを開始!
全体図を書きながら…
子ども達が のびやかに育つように…
考え創り出す…
今までの人生の経験から、見て・学んで・習得した技を駆使して身近なものを再利用しながら、創り上げる。
ほんの少しの配慮なのに、自分達が作業しやすいように考えて自然と手が動く。
裏山で安全に遊べるように…
子ども達が自然の中でおもいっきり遊べるように…
自分達も楽しみながら活動して頂いています。
木やロープを使った遊具も子ども達の発達に応じたものになるように一緒に考えながら進める。
日差しの入る明るい森になるように、伐採し、その切り落とした木々を使って遊具作りをする。
雨水を溜めて、家庭用のホース等を再利用して広範囲な場所にも使えるように工夫してくださっていましたが…
山の斜面を掘り進めて、山頂に水道をひいてくださいました。
活動の間やディキャンプでも水道は必需品です。改めて水の有難さを感じました。
裏山は全てが自然の植物だけではありません。
ツツジや桜などを植栽し、こまめな水やり等、目に見えないお世話のおかげで山の環境が整っているのです。
五感の中で、味覚が感じられる活動をする為に、かまどベンチを卒園制作で作りました。
下から土やレンガを仲間と協力して上まで運ぶ!
自分たちでレンガを積みあげていく!
豚汁やホットドックなど、自分達で作ったものは特別の味がする!
裏山を守る事も活動を広げる事も地域の多くの方々に支えられて実践できます。 子ども達にも「感謝」の気持ちが育つように願っています。